2011年 09月 29日
「紳士協定」 |
エリア・カザンの映画「紳士協定」。1940年代のアメリカにおけるユダヤ人差別を告発する内容で、主演はグレゴリー・ペック。このあいだNHK-BSでやっていたので、何げなく見てしまった。
主人公は、子連れのやもめ雑誌ライターで、リベラルな雑誌にユダヤ人差別の批判記事を書くため、自らユダヤ人になりすますことで、「厳しい差別の実態」を体験してそれを記事にするが、同時並行で付き合いがある婚約者の内面に潜む差別意識によって行き違いを繰り返し、最後にはその婚約者が自らの差別意識を乗り越えて「闘う」うことになって、復縁するというのがあらすじだった。
タイトルは、アメリカの保守層の強い土地ではユダヤ人排斥のため、村八分にする約束ごと=「紳士協定」というのがあり、家を貸さない、買い物をさせないなどがあるらしく、そのことだった。
同作は1947年作品で、当時のアメリカ社会にこのような気分が蔓延していることはよく分かった。が、解同のプロバガンダか、高知県が作った人権啓発映画みたいなテイストで、いかにも観念的、硬直していて、機械的に差別・被差別を色分けしたステレオタイプの正義感が正直鼻につき不快な感じがした。
ユダヤ人差別反対を高々と掲げたカザンであるが、ハリウッドの赤狩りで、彼は映画人のコミュニストを売って、自分だけ生き残ることをしたわけで、これは今でもハリウッドの最大の汚点だが、その程度の人権意識しかなかったことが、この映画の数年後に証明されることになる。
この映画には黒人がまったく登場しないのも非常に違和感があった。
主人公は、子連れのやもめ雑誌ライターで、リベラルな雑誌にユダヤ人差別の批判記事を書くため、自らユダヤ人になりすますことで、「厳しい差別の実態」を体験してそれを記事にするが、同時並行で付き合いがある婚約者の内面に潜む差別意識によって行き違いを繰り返し、最後にはその婚約者が自らの差別意識を乗り越えて「闘う」うことになって、復縁するというのがあらすじだった。
タイトルは、アメリカの保守層の強い土地ではユダヤ人排斥のため、村八分にする約束ごと=「紳士協定」というのがあり、家を貸さない、買い物をさせないなどがあるらしく、そのことだった。
同作は1947年作品で、当時のアメリカ社会にこのような気分が蔓延していることはよく分かった。が、解同のプロバガンダか、高知県が作った人権啓発映画みたいなテイストで、いかにも観念的、硬直していて、機械的に差別・被差別を色分けしたステレオタイプの正義感が正直鼻につき不快な感じがした。
ユダヤ人差別反対を高々と掲げたカザンであるが、ハリウッドの赤狩りで、彼は映画人のコミュニストを売って、自分だけ生き残ることをしたわけで、これは今でもハリウッドの最大の汚点だが、その程度の人権意識しかなかったことが、この映画の数年後に証明されることになる。
この映画には黒人がまったく登場しないのも非常に違和感があった。
by tosahiro-k
| 2011-09-29 01:21
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