2012年 08月 22日
山本美香さん死去 |
シリアで亡くなったビデオジャーナリストの山本美香さんが、2007年に高知にきた時に書いてもらったもの。想像していた以上に小柄で色白な女性だった。戦場での取材について、フリーランスの苦労などの話を聞かせてもらった。
彼女は戦争で傷つく普通の人々の暮らしを世界に伝えることをテーマに戦場で取材を続けていた。このサインからも、彼女のその思いが伝わってくるようだ。
2003年のイラク戦争では、バグダッド陥落の瞬間を取材している。その直前に、米軍の戦車からホテルの隣室が砲撃され、ロイターのカメラマンらが死亡、山本さんは間一髪助かり、撮影を忘れて怪我人を懸命に助けようとした体験、ジャーナリストを標的にした米軍への憤りを「中継されなかったバグダッド」(小学館)に書いている。
「戦争は残酷で悲惨だと知っていたはずなのに、目の前で死にゆくカメラマンの姿を見て動揺した。抑えきれない感情が、煮えたぎる怒りが湧き上がってきた。死ぬのは私だったかもしれないと感じた瞬間に恐怖が支配した。それでもまた私は戦場に向かうだろう」
戦争を知らない我々の世代で、戦争の真実を知る本物のジャーナリストだった。写真下は2007年6月24日、ソーレ。
by tosahiro-k
| 2012-08-22 00:48
| 取材こぼれ話