2012年 10月 10日
Nikon D3s |
ニコンの「慰安婦写真展」への対応などは非常に違和感を持つが、それはそれとして、長年のニコンユーザーとしては、今更キャノンに乗り換えるわけにもいかず、やはりニコン一桁機しか対象にならない。
さて、なぜ型落ちのD3sにしたのか。もちろん価格の差は大きいが、それだけではない。
最大の要因はメデイアカードスロット。D4にはXQDとコンパクトフラッシュがそれぞれついている。だが、以前書いたように、XQDを使っているカメラは今は世界でD4だけ。ソニーの裏切りを何度も目撃した自分としては、ここでXQDに踏み切る踏ん切りがつかなかった。
D4で進化したと言われるAFの食いつきや、秒11コマの連写も、スポーツカメラマン的な使い方はしない自分にとっては、それほどのアドバンテージではなかった。それより、既存のカメラと、メディアやバッテリーを共用できるほうが合理的に思えた。
実際に使ってみて、一番満足しているのは圧倒的な高感度の能力で、これまで使っていたD2xでは、iso800が事実上の限界で、室内ではシャッター速度が遅くなり、デジタルノイズ、手ブレ、被写体ブレの三重苦だったが、D3sになり劇的に条件が変わった。つねにiso3200とか6400、12800が、まったく普通に使えてしまうのである。これなら光量の少ない会場でも、思う存分撮れるというもので、今後はかなり写真が変わってくると思われる。
連写は秒9コマ。DXクロップにすれば11コマも使える。写真の容量がバカみたいに大きくならないようにと、結構クロップを意識的に使うこともあるので、使える場面があるかもしれないが、自分の使い方では秒9コマでも十分だ。
動画はなかなかおもしろい。ハイビジョン指向の人には中途半端だと酷評されているようだが、写真の撮影途中に、「あ、これは動画でとりたいな」と思う時は、本当によくあるので、いちいちムービーカメラを持ち出さなくてよいのは大きな戦力。取材用としては文句ない。
一番不安を覚えるのは音量を視覚的にモニターできないこと。内臓マイクならよいが、外部マイクを挿した時に、コンデンサマイクの電池切れなどで信号が来ていないことが分からないのは困る。この点はD4では改善されている。D3sのウィークポイントの一つだろう。
コンパクトフラッシュの2枚挿しは非常に良い。汎用性もあり、バックアップとしての機能を果たしてくれている。そして何よりFXフォーマット。FM2やF3からずっとやってきた人間にとって、ようやく35ミリの世界に戻れたのは感慨深い。
D3sにより超高感度を獲得したことで、これまでのストロボやレンズのF値についての考え方を変える時がきたのかもしれない。少なくても、シャッタースピードのことを考えてF2・8にこだわる必要は、もうないのかなと。もう少し使い込んだら、またレポートします。
by tosahiro-k
| 2012-10-10 00:02
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