暴力団との社会的に非難されるべき関係 |
Q5 「暴力団との社会的に非難されるべき関係」とは、どのような関係のことですか?【5条関係】
A「暴力団との社会的に非難されるべき関係」とは、例えば、
○ 相手方が暴力団員とわかっていながら、その主催するゴルフコンペに参加している
○ 相手方が暴力団員とわかっていながら、頻繁に飲食を共にしたり、同伴旅行をしている
○ 誕生会、結婚式、還暦祝いなどの名目で多数の暴力団員が集まる行事に出席している
○ 暴力団員が関与する賭博等に参加している
などの関係が該当することとなります。
ですから、単に「暴力団に知り合いがいる」などという場合のほか、
○ 親族・血縁関係者に暴力団員がいる
○ 暴力団員と一緒に写真に写ったことがある
○ 幼なじみの友達に暴力団員がいる
ということだけをもって、「暴力団との社会的に非難されるべき関係」とみなされることはありません。
また、事業上の関係として、
○ 暴力団員が役員となっている事業者
○ 暴力団員がその経営又は運営に実質的に関与している事業者
○ 暴力団員と知りながら、その者を雇用・使用したり、下請契約や資材等の購入契約を締結している者
○ 暴力団(員)に経済上の利益や便宜を供与している者
○ 役員等が暴力団(員)と社会通念上ふさわしくない交際を有する等、密接な関係を有している者
などが、「暴力団等と社会的に非難されるべき関係を有する者」となります。
暴力団と密接な関係のある事業者は、県の公共工事など公共事業のほか、暴力団排除活動に取り組んでいる事業者と締結する各種取引において、排除の対象となる場合があります。暴力団との密接な関係は、絶ち切るようにしてください!
となっています。まずここでT本社長、N岡議員が引っかかりそうなのは、2009年11月に名古屋でとりおこなわれた、H元組長の葬儀への出席ではないでしょうか。
葬儀の施主は司忍・6代目山口組組長ですが収監中のため、ナンバー2、弘田組→弘道会というH元組長の直系の弟子にあたる高山清司・6代目山口組若頭が取り仕切る準山口組葬として取り組まれ、全国の暴力団幹部が大挙して参列した、山口組、警察の厳戒態勢の中での葬儀だったはずです。
もしそうならば、居並ぶ全国の暴力団大幹部の中に、T本社長、N岡県議もいたことになりますが、組長が参列したバーションとは別の葬儀があったという話もありそこはよく分かりません。
T本社長もN岡県議も葬儀に参列したことは、自ら認めています。この葬儀に全国から暴力団の大幹部が集結することは容易に予測できたはずです。
これだけでも充分「非難されるべき関係」と思いますが、条例上は、なかなかハードルが高いのかもしれません。
さらに、県事業の排除対象となるのは「役員等が暴力団(員)と社会通念上ふさわしくない交際を有する等、密接な関係を有している者」ということになっており、2009年に死去しているH元組長が「関係者」と認定されたとしても、それがただちに、土電役員と暴力団が密接な関係を有していて県事業からの条例上の排除対象になるのかといえば、実際問題としてそういう判断には、なりにくいだろうなと思います。
またT本社長がいくら「弘道会」や「高山」という名前を使って脅しをかけても、それは土電側が勝手に言っているわけですから、それで「暴力団との密接な関係」があるとはいえないのかもしれません。
もちろん、条例3条「暴力団を利用しないこと」には、「暴力団や暴力団員との関係を出して相手方に圧力をかけること」はダメとQ&Aにもあり、今回の一連の土電側の対応が、条例に触れることは間違いありません。
ただ、そのことと「排除措置対象者」に該当する「役員との密接な関係」とは条例上、別とされているのが実際なのです。ですから下手すると全くノープロブレムにされる可能性も考えられる。自民党もそのあたりのことで「安心」しているのではないでしょうかね。
狭義の排除措置対象者であるか否かを警察に丸投げするだけではなく、かつて闘犬センターの弘瀬勝社長(故人)が県体育協会会長になろうと3代目山口組組長(故人)の写真を見せて関係者に圧力をかけた時、当時の橋本大二郎知事が法律もへったくれもなく弘瀬排除に取り組んだように、トップの果敢な判断で土電とN岡県議に引導を渡すことができるかどうか。
コンプライアンスの真価は、こういう時こそ試されるのではないでしょうか。