2013年 06月 14日
尾﨑高知県知事 アベノミクスの評価 |
尾﨑正直高知県知事は、アベノミクス「三本の矢」を高く評価している。株高・円安のシナリオが崩れて、サゲノミクスとかいう投資家のため息が聞こえてくる今になっても、なお「理にかなう」、「腑に落ちる」、「納得している」などという言葉で、絶賛に近いほめっぷりである。
尾﨑知事は第一次安倍内閣の時、官房副長官秘書官を務めた経験があり、「民主党政権の時は知らない人ばかりだったが、今の政権には知り合いが多くシンパシーがある」という趣旨のことを先日の会見でも述べていた。たしか、その時の官房副長官が現文科大臣である関係で、教育再生実行会議の委員にも声がかかったということだったはずだ。
知事に就任したとたんに政権交代があり、彼の「強み」であった人脈は1期目にはほとんどいかされることがなかったのであるが、自民党が政権に復帰し、ようやく出番がまわってきて、勝手知ったるなんとやら、面目躍如というところだろう。
このように、安倍政権と尾﨑知事はもともと親和性が高いうえ、「三本の矢」のシナリオは彼の古巣である財務省の元同僚らが書いたものであるからなのか、それとも自民党への配慮か、立て板の水のような知事の「三本の矢」の説明を聞いていても、霞ヶ関からの目線しか伝わってこない。
今の尾﨑氏は財務官僚ではない、75万高知県民の代表である。霞ヶ関からの目線ではなく、高知県民の生活の現場から物事を考えなければならない。
円安により燃料が高騰して、ハウス園芸、漁業などに大打撃が出て、知事肝煎りの産業振興計画にも逆行する事態が生まれている。
さらに、「三本目の矢」=成長戦略というのは、これまで散々高知県を疲弊させてきた元凶であり、自民党から民主党への政権交代の原動力になった「構造改革」の延長の話でしかない。要は規制緩和と輸出大企業優遇策、社会保障削減であり、その先にはTPPが待っている。
「成長戦略」の先に何があるというのか。
枝葉には部分的に高知県に「有利」なものがあるかもしれないが、大きな流れでは、高知県の疲弊がより進む方向にしか思えない。
これまで、尾﨑知事はTPPに反対して、高知県の第一次産業を守り発展させる立場を繰り返し表明してきた。
それは彼を支持した人はもちろん、直接的には支持しない人たちの願いをも包含した、高知県知事としての当然の行動だった。尾﨑県政1期目の「県民を食わせる」ために、懸命に走ってきた産業振興計画的な立場と、「成長戦略」礼賛には、どうにも整合性が感じられない。
霞ヶ関からの目線ではなく、県民の目線、暮らしの実感から捉えることはできないのか。彼の知事としての真価が問われている問題だと思う。
尾﨑知事は第一次安倍内閣の時、官房副長官秘書官を務めた経験があり、「民主党政権の時は知らない人ばかりだったが、今の政権には知り合いが多くシンパシーがある」という趣旨のことを先日の会見でも述べていた。たしか、その時の官房副長官が現文科大臣である関係で、教育再生実行会議の委員にも声がかかったということだったはずだ。
知事に就任したとたんに政権交代があり、彼の「強み」であった人脈は1期目にはほとんどいかされることがなかったのであるが、自民党が政権に復帰し、ようやく出番がまわってきて、勝手知ったるなんとやら、面目躍如というところだろう。
このように、安倍政権と尾﨑知事はもともと親和性が高いうえ、「三本の矢」のシナリオは彼の古巣である財務省の元同僚らが書いたものであるからなのか、それとも自民党への配慮か、立て板の水のような知事の「三本の矢」の説明を聞いていても、霞ヶ関からの目線しか伝わってこない。
今の尾﨑氏は財務官僚ではない、75万高知県民の代表である。霞ヶ関からの目線ではなく、高知県民の生活の現場から物事を考えなければならない。
円安により燃料が高騰して、ハウス園芸、漁業などに大打撃が出て、知事肝煎りの産業振興計画にも逆行する事態が生まれている。
さらに、「三本目の矢」=成長戦略というのは、これまで散々高知県を疲弊させてきた元凶であり、自民党から民主党への政権交代の原動力になった「構造改革」の延長の話でしかない。要は規制緩和と輸出大企業優遇策、社会保障削減であり、その先にはTPPが待っている。
「成長戦略」の先に何があるというのか。
枝葉には部分的に高知県に「有利」なものがあるかもしれないが、大きな流れでは、高知県の疲弊がより進む方向にしか思えない。
これまで、尾﨑知事はTPPに反対して、高知県の第一次産業を守り発展させる立場を繰り返し表明してきた。
それは彼を支持した人はもちろん、直接的には支持しない人たちの願いをも包含した、高知県知事としての当然の行動だった。尾﨑県政1期目の「県民を食わせる」ために、懸命に走ってきた産業振興計画的な立場と、「成長戦略」礼賛には、どうにも整合性が感じられない。
霞ヶ関からの目線ではなく、県民の目線、暮らしの実感から捉えることはできないのか。彼の知事としての真価が問われている問題だと思う。
by tosahiro-k
| 2013-06-14 17:13
| 取材こぼれ話