「蒸し込む」という思い込み |
彼はよっぽど共産党のことが気にかかるんでしょうか。事実をあげての正面からの批判でもなく、妙ちくりんな、自分の言葉なのか、他人の引用なのかよく分からないスタイルでネチネチ絡んでいる。
刑務所の話なのかな~と思っていたら、あらあら。だいたいこんな感じだった。高知新聞が闇融資を書かなければ、モード事件は「うやむやに蒸し込まれていたはず」(公文元県議のコメント)
。「自民党に同和行政に切り込む力はないし、共産党は橋本県政との距離を近づけていたから」。
これをよく読むと、どれもこれも主語がはっきりしない、実におかしな文章だ。まず公文さんのコメントの意味がよく分からない。「蒸し込む」のは一体誰なのか?
情報を自民や共産がつかんだ場合のことを想定しているのだろうか、いや県の執行部のことか?執行部が「蒸し込め」ば、それはなかなか分からないだろうが、Y岡氏が同僚の言葉として書いているように、いつまでも何10億円の穴を隠せるわけもないので、確かにいずれは発覚したとは思う。
それとも「高知新聞が書かない」→知っていたのに書かなかった→通常これを「蒸し込む」と言うのだが、公文さんの言うのは高新内部のことなのだろうか?いや、それなら自民党や共産党は関係ないので、違うと思われる。
以前から県の同和問題について批判するのは共産党だけで、高新をはじめ商業メディアは誰も批判を書けない、書かないという状況が長期に続いていたわけで、自民党が切り込めないのはその通りかもしれないが、要するに「共産党も橋本をかばってどうせ隠したに違いない」と言いたいのだろうか。
共産党が知って隠すと本気で思っているのなら、噴飯ものとはこのことだ。Y岡氏の想像の産物でしかない。何の根拠をもって、このようなことが言えるのか?ただの思い込みでしかない。
これはY岡氏の見解ではなくて、公文さんの語ったことなのか?いやいやそれもおかしい。公文さん自身、共産党県議団に平成15年まで属していたわけで、ご自分がおりながら、みすみす「蒸し込ます」わけがない。
Y岡氏もベテランなのだから、こういうのはやめた方がいいと思う。この人は以前から筆力はあるが、思い込みが激しい傾向がある。その最たる物が去年大騒ぎした「闇保証」。今や誰も話題にするものいない。
印象深いのが、何年か前に、彼が書いた原水禁運動の分裂を書いた(朝日がよくやるパターン)コラムで、分裂の要因は「いかなる国」と「部分核停」で、統一できないのは政党によるイデオロギーの引き回しだと共産党をしたり顔で叩いたことがあった。
しかし、70年代後半から80年代半ばまで原水禁大会は再統一して開かれており、自分も84年頃、「東京宣言」が出た時の広島大会に社会党・総評ブロックとともに参加したことがあったので、「再分裂は80年代後半で『いかなる』なんて関係ないっすよ、Y岡さん勘違いされてません?」と書いたことがあった。これなど明らかな事実誤認で、訂正ものだが、出たのだろうか?これも「いかなる」の思い込みが強すぎたのだろう。
高新の共産党批判には、「くやしいけど当たってるな~」と思わせる的を射た提起も時々はあるんだけど、Y岡氏のは、後味が悪いだけで、共感できないんですよね~。