2017年 08月 15日
どこへ行く高知新聞 闘犬残しは熱心なのに |
高知県・高知市合築新図書館西側の高知市有地=追手前小跡地を、50年前後企業に貸し出す計画を高知市が市民不在のまま8月にも企業の公募を始めようとしていることに対し、広場としての利用を求める市民グループが1日、「西敷地」の現地で宣伝行動に取り組んだところ、「全然知らなかった」という強い反応がありました。
ひろめ市場に出店しているいくつかの店主さんから、「てっきり広場になるものと思っていた。そんな話になっているとはチラシを見るまで全然知らなかった」という声がかかりました。ひろめ関係者は、大きな影響を受けることになりますから、今後議論をすめていくとのことでした。
あの土地の利用法をどうするかということ以上に重大なのは、高知市民の重要な財産であるにも関わらず、市民が知らないまま、市が勝手に話をすすめ、計画が決まった後に事後報告する手法であるといえます。
問題点は2つ。
高知市の情報開示の姿勢
市側から公募方針についてまともな説明がない。市議会経済文教委員会で数十分の報告をやっただけで、市議の理解もまったく不十分なまま。検討委に提示していた前提条件の事業用定期借地権から住宅も可能な一般定期借地権へと市側の独断で前提条件がすり替わっている問題、利活用策について市議会のチェックがどう働くかなどの議論も皆無。西敷地の真ん前で営業するひろめ市場関係者や日曜市関係者、商店街にすら市は何も説明しないまま公募に入るという異常な状況。
高知新聞の報道姿勢
同紙はこれまで、最低限の情報は出しているが、ほぼ全てがベタ扱いで、おそらく写真は1回もつけていない。「虫眼鏡」で探さなければ分からない受動的な記事だけ。
同紙が独自に、「こういう問題が起きていますよ」と提起する姿勢は皆無。岡﨑誠也・高知市長は「マンションの可能性もある」と7月21日の会見で述べているにもかかわらず、これほどの重大発言も黙殺したまま(8月15日現在)。
市民の「まったく知らなかった」という反応は、高知新聞に鋭くむけられている。うってかわって「闘犬残し」にはやたら熱心だし、また平和問題など過去の歴史にも積極的。新堀川の問題では記者が独自に暗渠の下までくぐって問題提起をしているのとは対象的である。
7月21日の市長会見では同紙の女性記者は、かなりの長時間、執拗ともいえるほど問題点を指摘する立場から質問している。映像にもそのやりとりが収められているが、未だに記事は出ていません。おそらくまもなく公募が開始された後にアリバイ的に出すつもりなのだろう。
「道の駅」問題の立ち遅れも、東京新聞やテレビ朝日に出し抜かれるという「失笑レベル」だった。建設業者が関わる高知市政の重要な問題については、同紙はまともに書けない、構造的な問題があるとしか考えられない。こんなことでは読者の信頼は失われると心すべきです。
かつて、「高野切」購入時には、買う?買わない?で高新は連載をやった。これは面白かった。またモードアバンセ・闘犬センター、坂本ダム談合、よこはま水産、県警裏金等々、自分とは立場が正反対で対立する問題も多かったものの、グイグイ問題提起して県民議論を巻き起こしていく力には脱帽させられたものだ。
もし自分が今、高新の編集担当をやってたら、「どうする西敷地?」という連載を1面肩でやります。市長、経済同友会、追手前小OBなどハコモノ派と広場派に、連続して話を聞いて載せていく。読まれると思いますけどね。なんでやらんのでしょうか。まったく理解ができません。
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by tosahiro-k
| 2017-08-15 18:27
| 取材こぼれ話