2009年 02月 05日
日雇失業保険 |
解同高知市協の県へのアプローチの強まりの中で、「日雇失業保険」というものを勉強することになり、非常に複雑な思いをした。
普通、日雇いというのは、かつての山谷や釜ケ崎のような所で、明日の仕事があるかないか分からない、反復して同一事業所に雇用されるのではない労働者、明日の天気次第で仕事が左右されるような境遇の労働者のことをいう。
このような労働者を守るための制度が日雇失業保険。月13日以上「印紙」(働いた証明)を日雇手帳に貼っていれば、あとの月半分は、求職してあぶれた時には(「あぶれ手当」といわれる所以)、保険金が現金支給されることになる。健康保険も、国保よりはるかに有利な条件でセットになっている。
逆に言えば事業主側が、労働者を「日雇い」して、月13日分でシェアリングすれば、今の高知県には日雇い求人は現実には皆無なので、確実に「あぶれ」、残りの月半分は保険金を受けとれることになる。これを無期限に繰り返せば(年齢や期間の制限はないので可能)、結果的に人件費は「半分」で済み、事業所は2倍の人が雇えるということになる。
今でも青柳公園の横、二葉町の古びた職安の別庁舎に現金支給所がある。その前時代的な雰囲気には驚いた(もうすぐ取り壊しになる)。今でも毎朝、現金を受け取りに多くの人が並んでいるが、この制度を使っているのは同和随契を請けている特定団体だけというのが現実だ。このようなタイプの「日雇い」は全国的にもかなりレアで(解同自身が言っている)、一種の「特区」。
かつては競輪競馬の従事員も「日雇い」だったが、職安側が「日雇いの実態がない」と指導してはずした。最近、解同市協は「08年9月16日からの職安との闘い」などと機関紙で誇示しているので、おそらくは職安が、市協の系列団体などに「実態的には反復雇用であり、日雇いの実態がない」などと指導してはみたものの、猛反発を受け、日和ったのではないかと想像しているのだが、職安に聞いても言葉を濁すので本当のところはよくわからない。そういう摩擦があることを背景にして解同市協の県や高知市へのアプローチが強まっているのだろう。
最もあせっているのは職安かもしれない。今は二葉庁舎(ハローワークとだいぶ離れている)でひっそりと行われている現金支給だが、取り壊しによって、近々ハロワで行うようになるという。するとどういうことになるか?
職安にごった返す多くの失業者が、この事実を知れば、暴動が起こるのではあるまいか。関係法令が何十年も変っておらず、制度がまったく旧態依然としていて、今問題になっている日雇い派遣労働者は、この制度の恩恵を受けることはできていない。突然住居を失った人たちが路頭に迷っているというのに、このアンバランスは何なのか?自分としても、いろいろと思うところもあり、考えさせられている。写真は二葉町の保険金支払い窓口。
普通、日雇いというのは、かつての山谷や釜ケ崎のような所で、明日の仕事があるかないか分からない、反復して同一事業所に雇用されるのではない労働者、明日の天気次第で仕事が左右されるような境遇の労働者のことをいう。
このような労働者を守るための制度が日雇失業保険。月13日以上「印紙」(働いた証明)を日雇手帳に貼っていれば、あとの月半分は、求職してあぶれた時には(「あぶれ手当」といわれる所以)、保険金が現金支給されることになる。健康保険も、国保よりはるかに有利な条件でセットになっている。
逆に言えば事業主側が、労働者を「日雇い」して、月13日分でシェアリングすれば、今の高知県には日雇い求人は現実には皆無なので、確実に「あぶれ」、残りの月半分は保険金を受けとれることになる。これを無期限に繰り返せば(年齢や期間の制限はないので可能)、結果的に人件費は「半分」で済み、事業所は2倍の人が雇えるということになる。
今でも青柳公園の横、二葉町の古びた職安の別庁舎に現金支給所がある。その前時代的な雰囲気には驚いた(もうすぐ取り壊しになる)。今でも毎朝、現金を受け取りに多くの人が並んでいるが、この制度を使っているのは同和随契を請けている特定団体だけというのが現実だ。このようなタイプの「日雇い」は全国的にもかなりレアで(解同自身が言っている)、一種の「特区」。
かつては競輪競馬の従事員も「日雇い」だったが、職安側が「日雇いの実態がない」と指導してはずした。最近、解同市協は「08年9月16日からの職安との闘い」などと機関紙で誇示しているので、おそらくは職安が、市協の系列団体などに「実態的には反復雇用であり、日雇いの実態がない」などと指導してはみたものの、猛反発を受け、日和ったのではないかと想像しているのだが、職安に聞いても言葉を濁すので本当のところはよくわからない。そういう摩擦があることを背景にして解同市協の県や高知市へのアプローチが強まっているのだろう。
最もあせっているのは職安かもしれない。今は二葉庁舎(ハローワークとだいぶ離れている)でひっそりと行われている現金支給だが、取り壊しによって、近々ハロワで行うようになるという。するとどういうことになるか?
職安にごった返す多くの失業者が、この事実を知れば、暴動が起こるのではあるまいか。関係法令が何十年も変っておらず、制度がまったく旧態依然としていて、今問題になっている日雇い派遣労働者は、この制度の恩恵を受けることはできていない。突然住居を失った人たちが路頭に迷っているというのに、このアンバランスは何なのか?自分としても、いろいろと思うところもあり、考えさせられている。写真は二葉町の保険金支払い窓口。

by tosahiro-k
| 2009-02-05 22:43
| 取材こぼれ話







