2012年 05月 23日
XENYX1002B |
少年時代に憧れた生録を未だに引きずり、今もちょくちょくライブ録音をする機会がある。
自分の録り方は、基本ステレオワンポイントなのだが、よくあるのが、ボーカルはPA用のマイクのパラ分け、あるいはPAミキサーからのライン信号をもらうのだが、ピアノは会場へ生音なので、ピアノ用に録音用のコンデンサマイクをこちらで立てて、現場ミックスさせるパターン。会場の臨場感を得るためにオーディエンス用マイクを加えたい時もある。
メイン録音機は2チャンのFOSTEXのFR2。信号を現場で2チャンネルにMIXする原始的なやり方しかできない。
PCを持ち込んで多チャンネルで録り、あとでミックスする方法もあるのだが、持ち込み機材が増えてしまうのがいやだ。最小限の機材にするため、この方法にこだわっている。
ミキサ−はサウンドクラフトのM12というものを使っているのだが、ケースに入れると巨大で車でないと持ち運びに難渋する。
搬入に車を使えるホールの場合はそれで良いのだが、酒場でのライブの録音の時には、大きな卓を据える訳にはいかないし、会場が柳町の雑居ビルの5階みたいなパターンが多いので、機材を最小限にしなければならない。
そこで6月8日に堀江真美のライブを録ることを依頼された関係で、コンパクトなミキサ−・ベリンガー社のXENYX1002Bを導入した。はっきり言ってかなりの安物である。音質は到底期待できないが、しかたない。コンパクトさが命なので、これをしばらく使ってみる。インターネット中継にも活用できそうだし。
1002Bについて気がついたことを参考までに。
XLRが5本もつなげ、ファンタム電源が供給できる。ボディは金属製でそれなりにガッシリだがコンパクトで軽量、レベルコントロールはスライド式VR、バッテリー駆動可能というのが売りもの。果たしてその実力はいかに。
音質は、ややノイジーですが、まあこんなものでしょう。とりあえず可とすることに。
問題はファンタム電源で、コンデンサーマイクを多用する自分としては非常に重要だ。この製品の紹介にはファンタム電源の電圧の記載がないが、届いた商品の仕様をよくよくみると100V運用で23V、バッテリー運用で18V・・・ぐわーん。 定番48Vから外すなら、先に言えよと言いたいのだが、後の祭り。安いだけのことはあるわい。
コンデンサーマイクの仕様により48V以下の低電圧で動く場合もあるが、まったくマイクによって異なるようなので、大慌てで試した結果は以下。
オーディオテクニカ サイドアドレス型 AT3525 不可 ファンタムをかけるとブーンというノイズ発生
AKG C391B 可
RODE NT4 ノイズにより不可(ファンタム電源の場合)。正常時には一度ついてすぐ消灯する赤いインジケーターランプがぼーっとつきっぱなしに。乾電池を入れていれば可
※メインのマイクはAKGなので安堵する。NT4も不本意ではあるが、電池で使えるのでまずは良かった。
これをバラバラでなく一挙に作動させたらどうか、電流不足でダウンしないだろうか。AKG2本、NT4(乾電池運用のままで)のLRを1002BのXLR端子に挿し、ファンタムをかける。さらにレポーターのインタビューマイクとして知られテレビ局御用達のシュア−SM63L(ダイナミックマイク)も残りのXLR端子に同時に繋ぎテストしたが、ノイズはなく使えることが判明した。
その他
青いインジケーターランプがまぶしすぎ。
1と2チャンネルのゲインコントロールが、ライン入力があるのに、切り替えスイッチやそれぞれのVRがなくマイクレベルだけというのは納得いかない。3チャンネル以降は双方装備されているのに。
8日の堀江眞美のピアノトリオ演奏は、評判がよくソールドアウトが近い様子。
会社の前にポスターを貼っていたら、「色使いが怪しいです」と何人にもに言われてしまいました。関心ある方は早めに声かけてくださいませ。
by tosahiro-k
| 2012-05-23 00:26
| オーディオ