2013年 10月 02日
三嶺大規模シカ駆除計画 来年3月に |
三嶺一帯で著しく増加したニホンジカを減らすために、林野庁四国森林管理局が高知県、香美市、陸上自衛隊14旅団、香美地区猟友会、県山岳連盟、県勤労者山岳連盟などの協力を得ながら準備をすすめている計画が来年3月23日に西熊山東南面、フスベヨリ谷で実施されることになった。(※その後、3月23日は香美市長選投票日になるので変更されることになった)
9月21 日に香美市内で開かれた会合では、①西熊山から三嶺へ至る稜線1・2キロメートルに勢子120 人を山岳団体と陸自の協力で配置し、自転車のラッパホーンを鳴らしながら下方向へシカを追う、②フスベヨリ谷に射撃手(香美地区猟友会)を25カ所配置し、追い出されてきたシカを撃つ、③陸自が当初使用を検討していたレーダー等の装備は樹木の影響で使用できない、④勢子の誤射を避けるための位置確認は陸自隊員が個人用GPSを用い無線で口頭で本部に連絡する方法をとる、⑤11月24日に射撃以外の予行演習すること、などが確認された。
意見交換では「勢子は通常ルートでない斜面を下るため危険性が高い。地形の判断、読図能力がある山岳会のリーダークラスでなければならず、安易にボランティアに求めるべきではない」、「予行演習をやるなら捕ったらどうか。シカは移動しており、本番の日にはまったく捕れないこともある」などという声が出され、四国森林管理局と高知県担当者からは「シカを捕ることも大事だが安全が一番。勢子確保は慎重にやる。万全を期すために射撃以外の演習を実施したい」という回答があった。
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悲惨な状態になっている三嶺をなんとかするために、思うように進んでいない駆除の抜本的強化にむけて官民が協力した大胆な共同作戦を林野庁四国森林管理局が主催してやることになったのは画期的だと思う。
山の「所有者」である四国森林管理局は、ずっとシカ被害については反応が緩慢で、責任を持って駆除計画を持つべきだと迫っても、踏み込まず、調査とシンポでお茶を濁すような状態が長く続いた。
高知県や香美市だけにやらすのではなく、国の責任として駆除に真剣に乗り出したことは、遅きに失したとはいえ評価したい。
今回の作戦のポイントは、いうまでもなく陸上自衛隊の参加であるわけだが、そこには抵抗感を持つ人もいるだろうし、自分にも複雑な思いは当然ある。
が、今の三嶺の惨状は、災害であり、そこに現実に日本国が持つマンパワーを投入するのは、震災や台風の救援活動と同じだと思う。
陸自のPRなのかもしれないが、集団的自衛権や軍事行動のPRは困るが、山を守る非軍事的活動をPRしたいなら、大いにやってもらったらよいし、アメリカ軍の下請けになって共同演習やる暇があるなら、山を守るために働いてもらったほうが、なんぼか税金の有効活用だ。
専守防衛と災害対応という範囲の自衛隊=「護憲の軍隊」は、自分は否定しない。
ということで、イデオロギーはさておき、森林管理局が主催する災害対応の計画に、県も香美市も、自衛隊も、猟友会も、山岳団体も、ともに参加協力していくとらえ、我々の山岳団体でも全面的に協力していく方向で集約している。
自分も出席した9月21日の関係者の会合では冒頭、森林管理局長が経緯を説明したのだが、その中で「中谷先生(自民党代議士)から自衛隊を使えないかという話があった」ことを最大限強調していた。1回だけならまだしも、少なくとも3回は言った。国の官僚の感覚ってこういうものかと痛感させられたが、神経を逆撫でされながらも、我慢して聞き流す。経緯はどうあれ、この計画は成功させなければならないから。
実は中谷元代議士が、三嶺に登りシカの被害を目の当たりにしたのは、2009年の三嶺清掃登山の時で、「現地を見てくれ、案内するから」と「三嶺を守る会」が各議員、各党に案内し、中谷代議士、共産党の山中正博さん、牧義信元県議らと共に自分も一緒に登った。今は高知市議をしている当時中谷秘書だった浜口さんも随行していた(彼が一番若いが、しんどそうだった)。 写真は三嶺山頂の中谷・山中氏。
今回の計画は、それが実を結んだともいえる。自衛隊側の反応には、正直物足りなさもあるが(やるならもっと真剣にやってほしい的に)、成功させるために尽力したいし、自分達にしか言えないことがかなりあることが分かったので、必要な提言はしっかりしていこうと思っております。
9月21 日に香美市内で開かれた会合では、①西熊山から三嶺へ至る稜線1・2キロメートルに勢子120 人を山岳団体と陸自の協力で配置し、自転車のラッパホーンを鳴らしながら下方向へシカを追う、②フスベヨリ谷に射撃手(香美地区猟友会)を25カ所配置し、追い出されてきたシカを撃つ、③陸自が当初使用を検討していたレーダー等の装備は樹木の影響で使用できない、④勢子の誤射を避けるための位置確認は陸自隊員が個人用GPSを用い無線で口頭で本部に連絡する方法をとる、⑤11月24日に射撃以外の予行演習すること、などが確認された。
意見交換では「勢子は通常ルートでない斜面を下るため危険性が高い。地形の判断、読図能力がある山岳会のリーダークラスでなければならず、安易にボランティアに求めるべきではない」、「予行演習をやるなら捕ったらどうか。シカは移動しており、本番の日にはまったく捕れないこともある」などという声が出され、四国森林管理局と高知県担当者からは「シカを捕ることも大事だが安全が一番。勢子確保は慎重にやる。万全を期すために射撃以外の演習を実施したい」という回答があった。
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悲惨な状態になっている三嶺をなんとかするために、思うように進んでいない駆除の抜本的強化にむけて官民が協力した大胆な共同作戦を林野庁四国森林管理局が主催してやることになったのは画期的だと思う。
山の「所有者」である四国森林管理局は、ずっとシカ被害については反応が緩慢で、責任を持って駆除計画を持つべきだと迫っても、踏み込まず、調査とシンポでお茶を濁すような状態が長く続いた。
高知県や香美市だけにやらすのではなく、国の責任として駆除に真剣に乗り出したことは、遅きに失したとはいえ評価したい。
今回の作戦のポイントは、いうまでもなく陸上自衛隊の参加であるわけだが、そこには抵抗感を持つ人もいるだろうし、自分にも複雑な思いは当然ある。
が、今の三嶺の惨状は、災害であり、そこに現実に日本国が持つマンパワーを投入するのは、震災や台風の救援活動と同じだと思う。
陸自のPRなのかもしれないが、集団的自衛権や軍事行動のPRは困るが、山を守る非軍事的活動をPRしたいなら、大いにやってもらったらよいし、アメリカ軍の下請けになって共同演習やる暇があるなら、山を守るために働いてもらったほうが、なんぼか税金の有効活用だ。
専守防衛と災害対応という範囲の自衛隊=「護憲の軍隊」は、自分は否定しない。
ということで、イデオロギーはさておき、森林管理局が主催する災害対応の計画に、県も香美市も、自衛隊も、猟友会も、山岳団体も、ともに参加協力していくとらえ、我々の山岳団体でも全面的に協力していく方向で集約している。
自分も出席した9月21日の関係者の会合では冒頭、森林管理局長が経緯を説明したのだが、その中で「中谷先生(自民党代議士)から自衛隊を使えないかという話があった」ことを最大限強調していた。1回だけならまだしも、少なくとも3回は言った。国の官僚の感覚ってこういうものかと痛感させられたが、神経を逆撫でされながらも、我慢して聞き流す。経緯はどうあれ、この計画は成功させなければならないから。
実は中谷元代議士が、三嶺に登りシカの被害を目の当たりにしたのは、2009年の三嶺清掃登山の時で、「現地を見てくれ、案内するから」と「三嶺を守る会」が各議員、各党に案内し、中谷代議士、共産党の山中正博さん、牧義信元県議らと共に自分も一緒に登った。今は高知市議をしている当時中谷秘書だった浜口さんも随行していた(彼が一番若いが、しんどそうだった)。
今回の計画は、それが実を結んだともいえる。自衛隊側の反応には、正直物足りなさもあるが(やるならもっと真剣にやってほしい的に)、成功させるために尽力したいし、自分達にしか言えないことがかなりあることが分かったので、必要な提言はしっかりしていこうと思っております。
by tosahiro-k
| 2013-10-02 11:07
| 登山