「よこはま水産」問題 自民党県議団粘る |
この日、もっとも時間を費やしたのは、枝葉の、公文書であるない問題。半分以上は、この問題のやりとりに終始した。まあ、これしか、言うことがないんだろうけど、それをやりたいなら、県全体の情報公開のあり方を問うべきであり、総務委員会あたりで、やればいいわけで、それを海洋局といつまでもゴチャゴチャやるのは不毛な気がする。
で、それが一段落ついたと思ったら、まだまだT森議員が絡みに絡んで独演会。このエネルギーはある種尊敬に値する。もうA比奈氏や県民クのH田氏は、ぐったりというか、やる気をなくしていたのとは対象的だった。
T森氏が言っていたのは、①執行部は13年の集中審議で総括済というが、今出ている出資の資料は出ていなかったから、済ではない。隠していたのだから、今も闇は続いている。②基金協会への出資が本当に必要なのか。新船をつくる者などどうせいないのだから不要ではないか、というようなあたり。
あと特徴的だったのは、百条、百条とT森氏が執拗に言っていたこと。だがこれには他の自民党委員からも積極的な賛同が出ず、A比奈氏にも明確に反対される始末で当面は頓挫。H沢元海洋局長を再招致するかどうかという議論では、ものすごい勢いでT森氏が「呼ぶこたない!」と猛烈に反対したのも興味深かった。
結局、百条、百条と言うが、何を解明したいのかが、はっきりしていないので、話が分かりにくいし、堂々巡りになって疲れる。
ここは、何を解明するのか、はっきりしていただきたい。疑惑をふっかけたT森氏側が提起したシナリオは「闇保証的な出資を知事が指示した」というものであるから、核心は11年5月に行った融資斡旋の見返りとして連年900万円の出資を組織決定=知事の承認があったのか否かだけである。さらにいえば、連年900万円の出資金が「見返り」ではなく、正当な根拠、妥当性があるのか否かだ。
だとすれば、これまでの議論で、話は出尽くしている。肝心のN村氏自身が、「知事が知っていたら認めないだろう」と明確に述べているし、副知事は代決をせず知事に上げており「知事の判断が組織決定であることは、頭では分かるが、腹に落ちない」とN村氏が自分で言っているのである。「腹に落ちない」だけのことであり、頭では分かっていると。
900万円の出資の妥当性については、議論が不足しているように思われるが、次回の委員会には資料が出るようなので、そこでさらに明らかになると思うし、決裁前に先走ったのが、N村氏の独断だったのか、K野副知事が押し切られたのかは、知事が認めていないという点ではどっちでも同じで、本質的ではなく、せいぜいN村氏の保身の話でしかない。
T森氏は、百条にして、これ以上何を明らかにしたいのだろうか。おそらく本丸では話にならないので、当時のゆがんだ同和行政そのものの、あれこれを持ち出してきて、戦線を広げようとするだろう。当時、自分らが全部認めてきたことを、思いっきり棚に上げて。が、それは13年の集中審議で総括済なわけで、その後県の同和行政が大転換されたという事実の前には、蒸し返しの堂々巡りにしかならないという矛盾がある。
たぶん自民党は、長野の知事選の結果をみて、俄然ファイトが沸いてきたのだろう。高知でも再び百条でひっぱるだけ、引っ張ろうというあたりだ。が、県民とまったく無関係なところでの政治的な思惑で、貴重な県費と職員のマンパワーをいつまで浪費させるつもりか。
産業経済委員会というのは、産業を振興させるのが仕事だろうと思うが、熱中していることといえば、嫌がらせのようなタラソへの補助カットであわや撤退させそうになったり、漁民が利用する融資の整備をする今回の出資を、「要らない」といって、ダラダラ文句を付ける。産業振興の足を引っ張っているだけにしか見えない。