2006年 09月 17日
「脱原発」 |
橋本知事が9月14日の記者会見で行った、高レベル放射性廃棄物処分場についての発言が波紋を広げている。
知事発言の基本は「自分の任期中にこのような施設は作らせないと以前言ったけれど、その考えには変化はありませんよ」というもの。
知事はそれに加え、地方を疲弊させておいて、札束で頬をたたくような原子力行政はおかしいと強く批判した。当然の感覚であるが、現職知事でここまではっきり国に言う人は、極めて貴重である。この一点だけでも、橋本県政の意義は大きい。M尾氏じゃこうはいかない。処分場誘致派には、この知事発言は痛烈な打撃である。また旧葉山村は橋本氏の影響力が強い地域でもあり、誘致反対運動の強力な後押しとなることだろう。16日に津野町で開かれた学習会でも、この知事発言はさかんに引用されていた。
ただ実際に会見の時には、知事は、単純に誘致反対派に肩入れをしたわけではない。原子力発電の必要性を説き、「非科学的」な反対運動への違和感をかなり言っていたのが印象的だった。この問題に限らず、橋本氏は左に振れすぎないように、常にかなりバランスに気を使う。「共産党県政」だ、「共産党のいいなり」だと攻撃にさらされているわけで、そういう気遣いは自治体の長として当然だと思う。長野の田中氏のように、バランスを欠くと、いくらいいことをやっていても足元をすくわれる。
一部に橋本氏の会見の全部の発言を知って、「がっくりきた」、「裏切られた」みたいな受け止めがあるようだが、勝手に期待しておいて、得勝手というものだ。行政の長である知事に、何をどこまで期待しているのか。ビチビチ言う前に、現実に果たしている橋本氏の存在の重さを、よく考えるべきだろう。自分も、原子力の平和利用は完全に否定されるべきではないという考えをもっているので、知事のバランス感覚には、同意できるところも多い。「脱原発」というイデオロギー先行ではなく、「郷土を原発のゴミ捨て場にするな」という一点で、地域から幅広い戦線を構築していくべきだと思う。
知事発言の基本は「自分の任期中にこのような施設は作らせないと以前言ったけれど、その考えには変化はありませんよ」というもの。
知事はそれに加え、地方を疲弊させておいて、札束で頬をたたくような原子力行政はおかしいと強く批判した。当然の感覚であるが、現職知事でここまではっきり国に言う人は、極めて貴重である。この一点だけでも、橋本県政の意義は大きい。M尾氏じゃこうはいかない。処分場誘致派には、この知事発言は痛烈な打撃である。また旧葉山村は橋本氏の影響力が強い地域でもあり、誘致反対運動の強力な後押しとなることだろう。16日に津野町で開かれた学習会でも、この知事発言はさかんに引用されていた。
ただ実際に会見の時には、知事は、単純に誘致反対派に肩入れをしたわけではない。原子力発電の必要性を説き、「非科学的」な反対運動への違和感をかなり言っていたのが印象的だった。この問題に限らず、橋本氏は左に振れすぎないように、常にかなりバランスに気を使う。「共産党県政」だ、「共産党のいいなり」だと攻撃にさらされているわけで、そういう気遣いは自治体の長として当然だと思う。長野の田中氏のように、バランスを欠くと、いくらいいことをやっていても足元をすくわれる。
一部に橋本氏の会見の全部の発言を知って、「がっくりきた」、「裏切られた」みたいな受け止めがあるようだが、勝手に期待しておいて、得勝手というものだ。行政の長である知事に、何をどこまで期待しているのか。ビチビチ言う前に、現実に果たしている橋本氏の存在の重さを、よく考えるべきだろう。自分も、原子力の平和利用は完全に否定されるべきではないという考えをもっているので、知事のバランス感覚には、同意できるところも多い。「脱原発」というイデオロギー先行ではなく、「郷土を原発のゴミ捨て場にするな」という一点で、地域から幅広い戦線を構築していくべきだと思う。
by tosahiro-k
| 2006-09-17 23:33
| 取材こぼれ話