2008年 06月 29日
なぜ高知大で蟹工船が売れないのか |
「蟹工船」があまりにもブームなので一言。小林多喜二は特高警察に拷問で虐殺された日本共産党員作家。教科書にも登場する有名な作家なわけだが、作品はたぶん20代前半に読んだ。
たしか当時の民青の指定文献に、「鋼鉄はいかに鍛えられたか」、「裸で狼の群に」などと一緒に入っていたと思う。
その時の印象は暗くて不快、蜂起が鎮圧されてダメだったというマイナスの印象しかなかったのだが、今にして思えばそれは劣悪で非人間的な労働条件を強調したかった作者の、ある意味意図どおりではなかったのだろうか。
そして今「蟹工船」がバカ売れしているという。金高堂の知り合いに聞くと、ブームがブームを呼んで確かにベストセラー並みの売れ行きという。一方で、面白いというか、情けないというか、現状の学生の意識の反映なのか分からないが、高知大生協では全然、1冊も売れていないそうだ。
社会に出て実際に「地獄を見た」30前後の連中と、親の庇護下の現役大学生とはまだ意識のズレがあるのかもしれない。いや生協の売り方が下手なだけかもしれないが、それにしても時代の流れの先端を行くはずの学生が立ち後れているような状況、かつては左翼の一大拠点だった高知大で「なぜ蟹工船が売れないのか」というテーマは、ある意味興味深い。
おそらく「蟹工船」をブームで買っている青年たちは、小林多喜二の生きざまを理解しているわけではないだろう。もう一歩踏み込み、社会を根本から変革していくことへの展望をつかんでもらえたらと思う。
「蟹工船」が流行るのなら、「ああ野麦峠」なんかもいいんじゃないでしょうか。
たしか当時の民青の指定文献に、「鋼鉄はいかに鍛えられたか」、「裸で狼の群に」などと一緒に入っていたと思う。
その時の印象は暗くて不快、蜂起が鎮圧されてダメだったというマイナスの印象しかなかったのだが、今にして思えばそれは劣悪で非人間的な労働条件を強調したかった作者の、ある意味意図どおりではなかったのだろうか。
そして今「蟹工船」がバカ売れしているという。金高堂の知り合いに聞くと、ブームがブームを呼んで確かにベストセラー並みの売れ行きという。一方で、面白いというか、情けないというか、現状の学生の意識の反映なのか分からないが、高知大生協では全然、1冊も売れていないそうだ。
社会に出て実際に「地獄を見た」30前後の連中と、親の庇護下の現役大学生とはまだ意識のズレがあるのかもしれない。いや生協の売り方が下手なだけかもしれないが、それにしても時代の流れの先端を行くはずの学生が立ち後れているような状況、かつては左翼の一大拠点だった高知大で「なぜ蟹工船が売れないのか」というテーマは、ある意味興味深い。
おそらく「蟹工船」をブームで買っている青年たちは、小林多喜二の生きざまを理解しているわけではないだろう。もう一歩踏み込み、社会を根本から変革していくことへの展望をつかんでもらえたらと思う。
「蟹工船」が流行るのなら、「ああ野麦峠」なんかもいいんじゃないでしょうか。
by tosahiro-k
| 2008-06-29 01:19
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