三嶺シカ大規模捕獲 登・猟・行が連携 成果は6頭 |
実施した場所は昨年と同様、三嶺山頂から西熊山に至る稜線の南斜面(高知県側)最深部の捕獲困難地域。斜面下のフスベヨリ谷に散弾銃を所持した猟友会員55人を配置(昨年は42人)し、猟犬10頭を入れシカを追った。
山岳団体等のメンバー84人(昨年は52人)は捕獲支援班として(労山39人、岳連11人、三嶺の森を守るみんなの会と一般34人)、陸自50普通科連隊の通信員20人とともに稜線部に1700メートルにわたり展開。追われたシカが稜線を超えて徳島県側に逃げることを防ぐため黄色いテープによる包囲線を設置し、鳥を追い払うための火薬鉄砲でシカを脅す作業にあたった。
昨年は猟犬は使わず、登山団体のメンバーがシカを追う勢子として登山道のない急斜面を下降したが、落石や転倒、沢に迷い込むリスク、誤射の危険、何よりシカを追うには人間の移動速度では遅すぎることから、今年は猟犬を使い、登山者は稜線で包囲線を張り待機する形になった。これにより参加のハードルが下がり、初心者でも参加が可能になった。
6頭という捕獲数の評価は分かれるところだろうが、猟友会と登山団体という民間が主力となり、それを国・県・香美市がサポートしてシカを捕獲するやり方は、高知ならではの画期的な取り組みである。昨年と比べて登山団体、猟友会ともに参加人数が増加してきていることは、この取り組みが高知県民に認知され、定着してきていることの現れでもあろう。
この事業が来年度も実施されるか否かは現時点では未定だが、参加者からは「やり方次第で捕獲頭数はもっと上げることができる」、「来年も必ず参加する」、「徳島県側や他の山域にもひろげたい」など意欲的な声があがっている。
今年は労山から昨年の20人に倍する39人が参加。登山団体の最大勢力として中心的な役割を果たすことができたと自負している。高知県連23人に加え、徳島県連14人、愛媛県連1人、香川県連1人の応援を得た。労山の仲間の熱い思いと連帯感を実感した。
作業中に山岳会員ではない捕獲支援班員が稜線上で転倒して足を骨折し、県消防防災ヘリで搬出されるアクシデントがあった。何の変哲もない所での事故であり、これだけの人数が山中で動くと考えられないようなトラブルが起きるものであるということは再認識させられた。
写真は、猟友会と捕獲支援班(登山団体)の配置と、6頭の捕獲位置(鉛筆で番号をふってある。
