2015年 02月 27日
没後70年 尹東柱追悼行事 |

2月22日、東京池袋の立教大学で「没後70年、尹東柱追悼行事」に参加しました。会場は同大の礼拝堂。キリスト教のことはあまりよくわからないのですが、パイプオルガンを生で初めて聞きました。厳かで感動しました。詩の朗読には青年劇場の俳優さんも参加されていました。

尹東柱(ユンドンジュ)は韓国の国民的詩人で、中国・朝鮮国境近くの間島出身。植民地下の朝鮮半島から立教大、同志社大に留学しますが、朝鮮語で詩を書くことをやめなかったため治安維持法容疑で逮捕されて1945年、福岡刑務所で27歳で獄死しています。獄中で毒殺されたという説もあります。
「死ぬ日まで空を仰ぎ一点の恥辱なきことを」 という「序詩」がとりわけ有名ですが、ダイレクトに朝鮮独立を訴えるスタイルではなくて、生活の中からにじみでてくるような作風が特徴です。ただ「序詩」は、強烈な抵抗精神がほとばしっていますね。尹東柱は創氏改名によって平沼と名乗るのですが、それを受け入れてしまった自らを痛烈に恥じた詩もありました。
尹東柱は、高知の反戦詩人・槇村浩が「間島パルチザンの歌」で歌った延辺=間島の出身です。朝鮮独立・植民地の解放を堂々と歌い捕らえられ25歳で命を落とした日本人の槇村、朝鮮独立の夢を歌い獄死した尹東柱。縁を感じます。今年は戦後70年、日韓条約50年ですから、高知でもこの「二人の詩人」をテーマにした取り組みが出来ないものかと策を練っています。
尹東柱は逮捕される前に京都の学友に「平沼君、何か歌ってよ」とせがまれ、アリランを歌ったというエピソードが知られています。追悼行事でもアリランを合唱しました。チャペルでアリランを聞くという不思議な体験をすることができました。
同大池袋キャンパスには展示館があり、大学の歴史を紹介しているのですが、そこでは第二次大戦中の軍国主義、国家主義の圧力で「キリストと天照大神とどっちが偉いんだ」というようなことになって、心ならずも彼らの信仰に背くようなことをやり学徒出陣に学生を送り出したという負の歴史を記録する展示がありました。大事なことだと思います。
立教大は当時敵性大学とみなされ、「自由」の歌詞ある校歌、十字が描かれた校旗は禁止され、チャペルの閉鎖、戦没した学生の慰霊さえキリスト式では許されず神式で行ったとのことです。立教新座高校校長の3・11直後のあのメッセージのバックボーンが少し分かったような気がしました。
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by tosahiro-k
| 2015-02-27 19:39
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